“人は海の様なものである。ある時は穏やかで友好的、ある時は時化て悪意に満ちてる。ここで知っておかなければならないのは、人間も殆どが水で構成されているという事です。” //TW4 武蔵坂学園に通う誰かの日常。知らない方はさようなら。
たった1つの忠告が守れない
(しゃくり、)
(しゃくり、)
ごとん、とテーブルに置かれた
まだ少し青い林檎。
買って来たんだ、と笑う手には
小さめの包丁が握られていた。
まだ少し痛む喉では、当たり前の質問を
口にするのも億劫で。
おずおずと視線だけを向ける。
剝くのは出来るんだけど
摩り下ろしたほうが食べやすいかなぁ
視線には構わず、林檎をごろごろと転がしながら
そんなことをのんびりと呟いて。
そして――ゆっくりと視線が合う。
瞬きの間に消えうせる儚さで
確かに浮かべられる、苦味の混じった笑みと。
それを塗り潰して描かれる、幸福と喜色に満ちた、笑顔。
くしゃり。
手にした林檎を齧る音が
耳に届くまであと7秒。
死して悔いれば奇跡も望もう
まだ少し青い林檎。
買って来たんだ、と笑う手には
小さめの包丁が握られていた。
まだ少し痛む喉では、当たり前の質問を
口にするのも億劫で。
おずおずと視線だけを向ける。
剝くのは出来るんだけど
摩り下ろしたほうが食べやすいかなぁ
視線には構わず、林檎をごろごろと転がしながら
そんなことをのんびりと呟いて。
そして――ゆっくりと視線が合う。
瞬きの間に消えうせる儚さで
確かに浮かべられる、苦味の混じった笑みと。
それを塗り潰して描かれる、幸福と喜色に満ちた、笑顔。
くしゃり。
手にした林檎を齧る音が
耳に届くまであと7秒。
死して悔いれば奇跡も望もう
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